
17世紀、八条宮家の別邸として誕生した桂離宮。約6万9千平米の広大な敷地に広がる回遊式庭園は、王朝文化の粋を集めた「知の集積地」です。建築家ブルーノ・タウトが「泣きたくなるほど美しい」と絶賛したそのミニマリズムは、時を超えて西洋のモダニズムとも共鳴します。
特筆すべきは、観月のための緻密な設計。古書院から新御殿へと数寄を凝らした建築群と、計算し尽くされた庭園の「余白」が、訪れる者の視線を優雅に誘導します。ここは単なる鑑賞の場ではなく、舟遊びや茶会など、五感で自然を愉しむための舞台。静寂のなかに、当時の皇族たちが追い求めた理想郷の姿が今も息づいています。
- 住所:京都府京都市西京区桂御園
- 滞在目安:60分